未成年を制限する法律
未成年者も日本の国民である以上は、当然に人権が保障され、行動の自由が保障されます。しかし、未成年者は心身ともに成熟しているとはいい難く、自分を害するような行為をあまり考えなしに行ってしまうこともあります。今ではそうでもないのかもしれませんが、かつては未成年者に対しては父親がこれをしたらダメだと指導することがありました。これと同様、国があたかも未成年者の父親であるかのように、未成年者の行為を制限することがあります。これを父権主義・パターナリズムと呼びます。もっとも、父親であるからと言って何から何まで制限が許されるというわけではありません。子供にも権利や自由が保障されているのですから。そこで、成熟した判断を欠く行動の結果、長期的にみて未成年者自身の目的達成のための能力を、重大かつ永続的に弱化させてしまう見込みのある場合に限って国の父親的介入が許されるとされています。このような制約は、限定されたパターナリスティックな制約と呼ばれるのです。具体的にはどのような行為がこの行為に含まれるのでしょうか。飲酒や喫煙が代表例です。飲酒や喫煙は、健康上の被害を生じさせてしまう可能性があります。十分な判断能力がないので、安易な判断で行ってしまう可能性がありますし、肉体的にも成熟していないので成年者よりも被害が大きい場合もあります。また、成年者と比べて未成年者は依存症になりやすいということが言われています。そこで、法律は未成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法という法律を定めて未成年者が飲酒・喫煙をしないように制限しています。他にも、未成年者の夜遊びを制限したり、有害図書を読むことがないように規制したりすることを内容とする青少年保護育成条例というものも定められています。前者の飲酒禁止法や喫煙禁止法は法律上もあまり議論はされていないのですが、後者の青少年保護育成条例に関しては法律上大きな問題となっています。青少年の自己決定権を大きく制限する法律であるし、長期的にみて青少年の保護育成に良くないという根拠が弱い場合も多くあるからです。また、どこまでを有害図書とするかという点に関しては表現の自由の観点からも問題になります。何をもって子供にとって有害とするのか、ということは時代によって変化しえますし、人それぞれの価値観によっても違ってきます。このような制限についてどのように定めるべきかという点は国民全体で議論していくべき事柄なのかもしれませんね。
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