福祉に関する法律
現代の国家は福祉国家といわれることがあるほど、福祉に関する法律が多く定められています。かつての国家は夜警国家と呼ばれていました。外交や防衛など最小限の役割だけを果たして、あとは国民の自由な経済活動にゆだねるというのが国家のあり方とされていたのですね。福祉国家は、この生活の自己責任の原則を修正して、国民の福祉を向上・増進させる国家を言います。福祉国家を成り立たせる中核的な制度は社会保障です。社会保障制度が現代のように発展してきたのはなぜなのでしょうか。経済的要因・社会的要因・政治的要因があります。第一に、経済的な要因としては、産業化の進展です。産業化が進むと賃金労働者が生まれます。賃金労働者は、自らの労働力以外に生活を維持させる手段がないので、病気や障害により労働力を喪失すると生活できなくなります。また、景気変動による失業などでも生活困窮してしまいます。このような生活困窮に対処するために社会保障が必要になったのですね。第二に、社会的な要因として、親族による扶養という観念の低下、地域における助け合い機能の低下をあげることができます。かつては、家族・親族や地域のコミュニティの中で助け合うことで生活困窮に対応していましたが、核家族化・都市化によってこのような助け合い機能が低下してきました。そこで、国家による社会保障が必要となってきたのです。第三に、政治的な要因としては、民主主義政治体制が確立したことをあげることができます。民主主義の政治体制の下では、政治家は選挙で国民の支持を得て政権を確保することが目的となります。その中で、国民の生活保障を行う社会保障を充実する約束をする必要があったのです。このようにして、社会保障制度は充実・発展してきたのですが、近年高齢化や経済の低成長によって福祉の見直しが叫ばれています。小泉元総理が新自由主義に基づいて小さな政府を目指した改革をしたのも記憶に新しいですね。小泉改革は、官から民への改革を進めることによって国家の役割を小さくしていこうとする改革だったのです。社会保障なのか、経済作用の中での救済にゆだねるのかという選択について私たちはもっと議論していく必要があるのかもしれませんね。福祉に関する法律しては、健康保険法・年金保険法・介護保険法・生活保護法・社会手当に関する法律など実に様々な法律があります。制度が非常に複雑になっていますので、公的な機関や社会保険労務士に相談する必要があります。
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